Tibet ASγ Experiment

空気シャワー観測装置

超高エネルギー宇宙線やガンマ線が地球大気に突入すると、大気中の窒素や酸素の原子核と衝突し、 新たな粒子を生成します。その粒子もまた窒素や酸素の原子核と衝突し、別の新たな粒子を生成します。 このように連鎖的に生成された莫大な数の粒子は面状となり地表に降り注ぎます。これが空気シャワーです。 空気シャワー中の粒子を測定する検出器を地表に多数設置することで、 測定された粒子密度分布と到来時間分布から空気シャワーの元となった宇宙線・ガンマ線のエネルギーと到来方向を知ることができます。

空気シャワーが大きく発達する大気の厚さを持つ中国チベット自治区羊八井 (標高4,300 m) に、 我々はチベット空気シャワー観測装置を建設して、超高エネルギー宇宙線・ガンマ線を連続的に観測しています。 チベット空気シャワー観測装置は、面積 0.5 m2 の地表粒子検出器 597台を約65,000 m2の範囲に設置しています。

それぞれの検出器は、逆ピラミッド型のステンレス製暗箱の上部に粒子が通過すると光を発するシンチレータと呼ばれるプラスチックを配し、 下部にはシンチレータで発せられた光を受けて電気信号に変換、増幅する光電子増倍管を取付けた構造になっています。 暗箱の内側は光を反射する白色の塗装が施されています。光電子増倍管の信号はケーブルで中央の制御室に集められ、そこでデジタル化して、 記録されます。

Tibet AS

チベット空気シャワー観測装置と地下ミューオン観測装置の検出器配置図。白抜きの小さい正方形が空気シャワー観測装置の0.5 m2 検出器を表す。全部で597台設置されている。色付きの大きい正方形が地下ミューオン観測装置。


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