Tibet ASγ Experiment

YAC (空気シャワーコア観測装置)

地表に降り注ぐ空気シャワー粒子円盤の中心付近には、空気シャワーコアと呼ばれるエネルギーの高い粒子が含まれている領域があります。 YAC (羊八井空気シャワーコア観測装置) は空気シャワーコア中の粒子のエネルギー密度や広がりを測定する装置です。 空気シャワーコア粒子のエネルギー密度と広がりは、空気シャワーを作った元の宇宙線の種類に依存します。 元の宇宙線原子核の原子番号が小さいほど空気シャワーコア粒子のエネルギー密度は高く、広がりは狭くなり、 原子番号が大きいほどその逆となります。 我々はYACのデータを使って、空気シャワーの元となった宇宙線の頻度を原子核の種類別に測定しています。

YACは空気シャワー観測装置と同じようにシンチレータの光を光電子増倍管で受けて、粒子密度を測定しますが、 シンチレータの上に厚さ3.5 cm の鉛板を設置している点が空気シャワー観測装置と異なります。 空気シャワー中のエネルギーの高い粒子は鉛で電磁カスケードシャワーと呼ばれる現象を起こして、粒子を増殖します。 このことを利用して、空気シャワー観測装置の中心付近にYAC検出器を1.875 m間隔で124台配置することで、空気シャワーコア粒子のエネルギー密度と広がりを測定します。

YAC

YAC (空気シャワーコア観測装置) 配置図 (左) と検出器断面図 (右)。空気シャワー観測装置の中心付近に配置されている。



YAC Photo

YAC (空気シャワーコア観測装置) 全景。地下ミューオン観測装置建設のために、 周辺の空気シャワー観測装置の検出器が一時的に撤去されている時の写真。

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